棗くんからは逃げられない
「………きみ…、…」

「で、ではっ…「なぁ」」

「はっ…はい…」

低い声で威嚇するように声をかけられ、肩を揺らす


やり過ぎたっ……?

「名前は」

「へ……」

「教えて」


ぁ……

今、初めて声音が優しくなった



だからだとおもう

「柴実乃梨……です」

思わず名乗ってしまった


後のことなんて分からなかったし
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