棗くんからは逃げられない
「待ちませんよっ、」

「なら捕まえますよ」

「ひゃぁ……ぅ……」

宣言と同時に後ろからおなか周りに腕がまわった


「ぎゅーってしていいですか?」

「もうしてるじゃないですかっ…ダメですぅ」

身を捩るがとらえられて離れない


「離してくださいっ…」

「嫌です、いま元気チャージ中なんです」

「そんなの、っ…私でしないでくださいっ……」


「いやで………「実乃梨」」

棗くんの声を遮り、声が聞こえた


その声に私を絡める腕の力がぎゅ、とこもった


「ぁっ……」
< 57 / 241 >

この作品をシェア

pagetop