棗くんからは逃げられない
「ゆる、」

はぁ…とため息を零す棗くん


「ひやぁぁ!もしや、もしやのもしや、実乃梨ちゃんさんじゃないですか?」

ぴょんぴょんと飛びはね、目を輝かせた女の子


さっきから登場人物が多い


「ぁぅ?」

「ぬぉぉ!髪さらっさら!肌きれー、ねね、うちとおしゃべりしましょ?」


「わっ…」

「ユル、どっか行け」

ぐい、と肩を引き寄せられ棗くんとぶつかる


「うええ、イオ兄独占欲というやつですか?嫌ですねー、嫌われますよ?」

「るせ」

「実乃梨ちゃんさんイオ兄に変なことされたら呼んでくださーい」

後ろでぴょんぴよんとびはねる女の子が視界の端にうつり、部屋に押し込まれる
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