棗くんからは逃げられない
「………棗くん」

「……そうです、けどいつものこと……っ」


「っ……」

ギュッと膝の上で拳を作る


あの時も今も痛そうな棗くんをみると、悲しくなる


「なつ、めくん…」

「はい?」


「っ……喧嘩はダメですよ、棗くん」


「?」

「ダメです、もうしないでください」

悲しくて怒る私に棗くんが呆然としている


その顔をのぞき込み、首をかしげる

「分かった?もうしないでね?」


「っ……」

「なぁっ…」
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