地蔵くん、笑って、歌って、恋して!
目を合わせてくれないから
覗き込むようにするとパッと目を逸らされる
何度も繰り返していると
まるで遊んでいるみたいで面白くなってきた
千景『...あ、あの...』
目を合わせるのは苦手なのか
少し、困ったようにしている千景
陽葵「あははっ笑
ごめんね、なんか千景猫みたいで、つい」
千景『…あれは?』
そう言って控えめに指さす千景
指の先にはダンボールが倒れていて...
陽葵「あっ!やばい!!」
私が大きな声を出したもんだから
千景が目の前でビクッとなっていた
陽葵「ごめん!これ職員室に運ばなくちゃ行けなくて!」
千景『…僕が…持ちます』
陽葵「え?いいよいいよ!大丈夫!」
千景『女の子には大きすぎます』
そう言いながらダンボールを軽々と
持ち上げた千景
陽葵「じゃあ、お願いしようかな笑
でも、一緒に行ってもいい?」
私の雑用だから
人にさせといて自分だけ帰るのは
ちょっと違うもんね
千景『…もちろんです』
陽葵「千景って優しいね笑」
満君に教えてあげたいくらいだよ
本当に女の子が1人で
持つ重さじゃないからね
千景『…初めて言われました』
陽葵「本当はこんなに優しいんだって
皆に知らせたいよ!」
千景『陽葵さんにそう言って貰えて
もうそれだけで充分です』