偽装結婚の行く末
いい感じに酔って気持ちいいから、帰りは少し歩いて帰った。
閑静な住宅街をふたりで歩く。
昴は酔ったあたしが歩道に飛び出さないようにしっかり腕を組んでいた。

ったく、あたしは犬じゃないっての。


「昴ぅ、とりあえず作戦は大成功ってことでいいの?」

「もちろん」

「てかさぁ、どこで情報手に入れたの?昴の思い通りに行き過ぎて怖いっていうか」


とりあえず酔った勢いで聞きたいことを質問する。
すると昴は片方の口を上げてニヤッと笑った。
……あ、その笑い方キザっぽいけど好き。


「そりゃ金で買った情報だから思い通りになってくれないと困る」

「金で買えるの?」

「買えるさ、貴子の息子がおっパブの常連だから、その店長からの情報」

「おっパブ!?」


貴子って呼び捨て!?って言おうとしたのにそっちが口から出た。
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