偽装結婚の行く末
うう、二日酔いで頭痛い。
翌日、目覚めた私は水を飲もうと起き上がる。
おもむろに左手で目を擦ったら痛みが走った。


「痛っ……何!?」


ゴリ、とまぶたに何か刺さった。
驚いて手を確認すると、左手の薬指に指輪がはめられている。

「何これ!?」と叫んで来た道を戻り、寝ている昴の身体を揺さぶる。


「ねえ、何これ昴!ちょっと起きて」

「……何?」

「この指輪なんなの!?ピッタリなんだけど!」


寝起きで目をシパシパしながら「ああ……」と呟く昴。


「見りゃ分かんだろ、婚約指輪」

「これダイヤ……?絶対高かったでしょ」

「大丈夫、さすがに給料3ヶ月分もねえよ」


サプライズで婚約指輪用意してたってこと?
てか昴、寝起きでボサボサの髪なのにかっこいいってなんなの?

色んな感情が織り交ざって軽くパニック。
すると昴は再びベッドに横になった。


「眠い、寝かせてくれ。起きたらもう1回同じようなリアクションして感想聞かせて」

「できるか!」


せっかくサプライズ成功したのに寝るの!?
昴らしいっちゃらしいけど、なんか寂しい。

結局昴は頑として動かず寝てしまった。
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