偽装結婚の行く末
「昴、挿れて……」

「このまま?生はまずいだろ」

「……今日は大丈夫だからお願い」

「美優が後悔しそうだからしない」

「なんでよ……」


勇気を振り絞ってお願いしたのに思い通りにならない。
その通りだけど、あたしばっかり求めてるみたい恥ずかしい……また涙が出てきた。


「やだ、挿れてよ昴、こんなになるまで焦らして最後までしないなんてずるい」

「泣くほど俺のが欲しい?」

「……うん」


泣きながら懇願したらさすがの昴も折れて、壁に手をつくように指示してきた。
おしりを突き出すように昴に背を向けたら、昴の膨張した熱があたしの中に入ってきた。


「あぁ……っ」

「途中でやめてなんて言われてもやめないからな」

「うん、やめないで。気持ちよくして」

「っ、ほんっと素直でかわいいな」


昴が動き出すと腰が勝手に動く。
気持ちよすぎて腰が抜けそう、膝がガクガクする。
反響する音でさらに快感が増してあたしは簡単にイッてしまった。


「気持ちいい……っ、昴、好き」

「涙目でそれはずるい」

「やっ、あ、んんっ……」


気持ちいいのがずっと続いておかしくなりそう。
回らない頭のせいで、その後も呆れるほど好きと伝えてしまった。
だけど昴はその度に受け止めてくれて、嬉しくてあたしはまた泣いた。
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