偽装結婚の行く末
「そういえば、好きな子とはどうなったの?」

「うん、順調。やっと付き合えた」


またあたしのこと狙ってる?なんて嫌な予感がしたけど違ったみたい。
佐久間は見たことない満面の笑みで惚気けてきやがった。


「その顔腹立つ」

「容赦ねえ〜」


佐久間がそこまでぞっこんになる女って一体どんな子なのに?
気になったけど思わず悪態ついてしまった。
しかし佐久間は気にすることなく、ご機嫌に笑いながらあたしを追い越してどこかに歩いていった。

まあいいや、今は佐久間のことなんて微塵も興味ないし。
こう思うなんて、すっかり吹っ切れたなと自分でも感じる。
佐久間にもらったお菓子をポケットに入れて、とりあてずメシだと歩き出した。
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