偽装結婚の行く末
「あ、そういえば日程は大丈夫だっけ。
ウィンターカップ近いんじゃない?」

「11月下旬なら大丈夫、予選は終わってるはず」


招待状を開けて日程を確認した律は「てか、姉ちゃんの結婚式なら絶対駆けつけないと」って満面の笑み。
とりあえず被ってないならよかった。
危なかった、その辺考慮してなかったから。

律は2年生だけどバスケ部のレギュラー。
バスケにはインターハイの他に、ウィンターカップと呼ばれる全国規模の大会がある。
律が通ってる高校のバスケ部はインターハイ常連の強豪校だから冬の時期は練習に力を入れてるらしい。


「じゃあ姉ちゃん、交換条件で俺が結婚式挙げる時はよろしくね」


ほんと自慢の弟だなあ、と思ったら律がニヤッと笑った。


「ごめんあたしも泣くと思うから無理」

「えー?じゃあ誰もスピーチできないじゃん」

「ていうかむしろ律に彼女ができた時点で泣きそう」

「なんで?」

「あんな小さかった律に彼女が……って」

「じゃあ今日泣いちゃう?」


すると律は意味深なことを言ってきた。
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