偽装結婚の行く末
「これで荷物全部?」


週末、車であたしの家まで迎えに来た昴は最終確認をしてきた。


「うん、なんか忘れてたら買いに行けばいいっしょ」

「楽観的だなお前」

「人生そんなもんでいいのよ」


今日から昴の家で寝泊まりすることになる。
正直結婚したくないからってそこまでする必要あるかと思うけど、まあ楽観的に行こう。

助手席に乗って目的地に向かう。
15分くらい走ったら車はタワマンの駐車場の中に入っていった。


「ここ昴が住んでるマンション?」

「うん、なんで?」

「あたしの家からめっちゃ近いじゃん」

「そういや、そうだな」


1年くらい会ってなかったから知らなかったけど、家近いのかよ。
知ってたらもっと会えてたかもしれないのに。

っていやいや、あたし何考えてんの。
近いからって昴が飲みに誘ってくれるとは限らないし。
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