偽装結婚の行く末
「うわー、京都久しぶり。中学生以来かも」


5月、本当に京都にやってきた。
GWの翌週、しかも平日だから人通りが少ない。
最高じゃん、と意気込んで駅を出る。


「で、どこ行くんだよ」

「えっと、清水寺と伏見稲荷と金閣寺と……」

「修学旅行かよ、もっと大人っぽいことしようぜ」

「……大人っぽいこととは?」

「まあ、それはお楽しみ」



何を企んでるんだろ。ちょっと怖い。
少し立ち止まって動向を伺う。

でも離れたところから見て分かることは、昴の脚が長いってことくらい。
腰の位置全然違うもんな、と思いながら隣に小走りで近寄る。


「そういえば、最終的に身長どのくらい伸びたの?」

「182だっけな、5年くらい測ってないから伸びてるかも」

「伸びないでしょ、もうアラサーのくせに」

「あ?お前だって来年アラサーだろ」


いつも通りからかい合いながらホテルへ。
チェックインはまだだけど、荷物だけ預けることにした。
にしても昴は身軽ですこと。あたしなんて超大荷物なのに。
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