偽装結婚の行く末
「やっば……」


突然動きを止めた昴は、繋がったままあたしの腰を持ち上げて角度を変える。


「ほら、繋がってるとこ丸見え」

「っ、言わないで」

「かわいー反応」


その体勢のまま動き出した昴。
自重に押されて苦しいのに気持ちいい。

でも、こんなみっともない声を上げてるのにかわいいなんて絶対嘘。
感じてる声を漏らしたくなくて歯を食いしばった。


「痛い?」

「ううん、きもち、いい」

「その顔はずるい、我慢できない」

「やっ、あっ……激しい、ッ」

「音やば……興奮しすぎだろ」

「やだ、いわない、で」


さらに激しくなる動き。
いやらしい水音が空間に広がってそれに興奮してしまう。

もはや羞恥心なんてどうでもよくて、本能のまま喘いで快楽に溺れた。


「美優、こっち見ろ」


揺さぶられる視界の中で、昴の手があたしの頬に触れる。


「……好き」

「っ、なんで、今それ……!」


露骨に照れたら昴の口の端が上がっていく。
やっぱり意地悪だ、あたしなんて全然余裕ないのに。

だけどいつもみたいに反論する気にはなれなかった。
だってこんなにも幸せ。
好きな人に抱かれることって、こんなに気持ちいいことだったっけ?

でも意地っ張りなあたしはすぐに好きって言えない。
その代わり、したいこと全部叶えてあげたくて、昴の気が済むまで抱かれることにした。
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