偽装結婚の行く末
「当日お礼をしたいから、よかったらいらしてください。
もし私が忘れていたら、帽子のことを話題に出してくださっていいから」
「……ありがとうございます」
「今日は時間が無いからごめんなさい、ではまたお会いしましょうね」
差し出されたから受け取らないのはまずいなぁと思ってとりあえず受け取る。
するとその人は笑顔で手を振りながらその場を離れていった。
なんだかいいことしたみたいで気分がいい。
手元のチラシは全く見ずに昴に目配せして“褒めて”と催促する。
しかし昴はパンフレットをじっと見ていて、貼り付けてあった名刺を剥がして手に取った。
「さっそくお手柄だな、持ってんな美優」
「……は?」
「今のが三村貴子、三村グループ会長の嫁さん」
「はぁ!?」
嘘でしょ!?会長の奥さんだとは思わなかった。
だって清潔感のある服装だったとはいえ、動きやすそうな格好だったからてっきり植林活動の参加者とばかり。
もし私が忘れていたら、帽子のことを話題に出してくださっていいから」
「……ありがとうございます」
「今日は時間が無いからごめんなさい、ではまたお会いしましょうね」
差し出されたから受け取らないのはまずいなぁと思ってとりあえず受け取る。
するとその人は笑顔で手を振りながらその場を離れていった。
なんだかいいことしたみたいで気分がいい。
手元のチラシは全く見ずに昴に目配せして“褒めて”と催促する。
しかし昴はパンフレットをじっと見ていて、貼り付けてあった名刺を剥がして手に取った。
「さっそくお手柄だな、持ってんな美優」
「……は?」
「今のが三村貴子、三村グループ会長の嫁さん」
「はぁ!?」
嘘でしょ!?会長の奥さんだとは思わなかった。
だって清潔感のある服装だったとはいえ、動きやすそうな格好だったからてっきり植林活動の参加者とばかり。