放課後、私はいつもの場所で

「えー。で、なに?その躑躅さんって人はどうしても北条さんを部活に参加させたいわけ?」

國谷は柏木が作ってきたお弁当を食べながら聞く

「まあ、果たし状を送るくらいだしね…。元々、躑躅さんとリオって、ソフトテニスの大会では毎回決勝でぶつかってたんだ。どっちが勝ってもおかしくない試合を繰り広げてて、私も、サラとよく応援しにいってたんだけど…」
「だけど?」
「リオ、中学2年の秋に、足の故障をしちゃったの。復帰まで、1年半かかるって、医者に言われてて…」
「じゃあ、今ぐらいで復帰できるわけだ」
「そうなんだけど…リオ、部活には戻らないって言ってるの」
「どうして?」
「私にもわからないんだよね…。リオ、周りのことは気にするのに、自分のことになると、何も教えてくれなくて…」
「うーん……」

國谷はしばらく考えたあと、「よし」と立ち上がった

「柏木さん、北条さんに兄弟は?」
「お、弟がいるよ。それから……」
「それから?」
「……亡くなった妹さんが」
「!」
「ご両親のことは、よくわからないけど…でも、妹さんが亡くなったことだけは、教えてくれた」
「…弟は、いくつ?」
「13だったと思うよ」
「そっか。なら、話は早い」
「え?…く、國谷くん、何するつもり…?」

柏木はまさか…と不安を煽るが、その不安は的中したらしい
國谷は笑った

「じょーほーしゅーしゅーだよ」
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