僕らは運命の意味を探していた。
「んで、二人は何時までそんな事してるわけ?」

「はっ……。来海、もうそっちは終わったのか?」

「終わったのか? じゃないわよ。あんたら何してんのさ。」

 不可思議な現象を見た時の反応の中に、どこか怒りの色が見て取れた。

 どうして目の奥が笑っていないのだろう。俺には分からなかった。

「来海さん、何で怒ってらっしゃるの・・・・・・です?」

「別に怒ってないわよ! 気になったから聞いただけ。悪い?」

「どうしたんだよ。」

「何でも無いって。もう、知らないわよ。」

 来海はそう言うと、顔を背けてしまった。

 俺は助けを求めようと、隣の同盟主を見る。奏ちゃんは、俺を馬鹿にするような目で僕を見ていた。

 俺が、いじめっ子のような笑みを浮かべていたそいつに、腹が立ったのは言うまでもないことだった。

「クーちゃん、妬いたの?」

「ち、違うわよ‼」

 どこか数分前の自分を見ているようで、かなり恥ずかしくなってきた。穴があったらすぐにでも入りたい気分だった。

「これを俺はやってたのな……。」

「そう。まんま同じことをね。」

 自分の行動を顧みて呆れる俺。その姿を見て来海は溜息混じりに言った。

「何なのよ、あんた達は……。」

「で、クーちゃんは隼人のことどう思ってんの?」

 耳まで真っ赤に染まった来海の顔。

 ここまで俺と行動が被っているのが、どこか可笑しくなってきた。

「どうって……、別に何とも。」

「説得力が無いのよねー。認めちゃったほうが楽なのに。ウチと二人の時、いっつも惚気話じゃん。」

 俺は驚いたように、来海の噴火しそうな顔を見た。

「そうなのか……?」

「ち、違うから……。奏も適当な事言わないでよ!」

 目が泳いだまま、奏ちゃんの言動を否定する来海は、一度大きなため息をついて、そして話を急展開させた。

「…………と、とりあえず、もう少し会議をしましょ。旅行の話はもう少し掛かりそうだから。」

 奏ちゃんは来海と俺の顔を交互に見ると、笑みを堪えるように口元を押さえた。

 俺らはそんな奏ちゃんを見て少し苛立ちを覚えた。

 奏ちゃんの気持ちをここで公開してやろうかな。

 そう考えたが、流石に罪悪感に苛まれそうだったから、この場は我慢して流した。

 俺らの他愛も無い会話が消えると、会議が本格的に再開した。

 仮説の出し合いや、時折他愛も無い世間話を挟んだりして、会議は夜中にまで及んだ。

 時間を考慮して帰宅を諦めると、皆で適当な位置で睡眠をとる事にした。

 すぐに寝付ける訳もなく、俺らは目覚めの悪い朝を迎えたのだった。
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