僕らは運命の意味を探していた。

感じ取ったモノ

　その頃、現実世界では。

　夏休みのとある日、俺ら四人はワゴン車の中にいた。

「来海、死んでるな……。」

「仕方ねえよ。徹夜で課題やってたって言うんだから。」

　僕らの視線の先には、死んだように眠る来海の姿があった。

　聞いたところによると、二日分の時間を作るために、一週間徹夜して課題を終わらせたそうだ。

　そんな頑張り屋な来海が、俺は好きだった。疲れ果て、眠っている来海を見て愛おしさを感じていた。

　彼女は、二週間ほど前の打ち合わせの中で、塾の無い曜日と皆のスケジュールを共有したところ、今日が最適だと判断した。

　そのために、濃いクマを作る程の苦労を強いたのだ。

　僕は少し心苦しかったが、来海は是が非でもこの旅行には参加したかったそうだ。

　一旦、前の席に目をやると、例の男がそこにはいた。

「目つき悪男君は、何してたんだよ。」

「誰が目つき悪男だ、ボケ‼」

　やはりこのやり取りが、僕には楽しくてたまらなかった。飽きずに毎回やってしまうのが、その証拠である。

　一好きっかけで始まったこの旅行。高校生四人だけでは到底叶いそうもない企画だった。

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