僕らは運命の意味を探していた。
 話は変わるけど、一好の提案で一泊二日の旅行に行く事が決まった。

 正直、四人の昏睡状態が気になるから、あまり傍から離れたくはなかったけど、本能的な好奇心に負けてしまった。

 当初、親たちに送迎を頼むのは忍びないという一好の意見で、俺が持っていた院長先生の連絡先から、一回きりの『何かあったら言って』権限を発動させた。

 院長先生は、日帰り旅行を一泊二日のお泊まり旅行に変更した。

 院長先生が送迎だけでは物足りないと、ありがた迷惑を仕掛けてきた。

 通常嬉しいはずなのだが、この時期の提案だったから、不要と感じてしまった。

 炎天下の中を白のワゴン車が猛烈なスピードで走っていた。夏休み真っただ中の道路は、交通量が比較的多いように感じた。

 クーラーの効いた車内は、快適な温度が保たれていて、来海が隣で気持ちよさそうな表情を浮かべるのも頷ける。

 寝不足と、昨日までに蓄積された疲労のダブルコンボが、この環境下で眠りを誘ったのだろう。

 集合した時の来海の顔と言ったら酷いものだった。

 そして、俺らを乗せた車は決まったスピードを遵守し、目的地を目指す。

 白い車は、快晴の空の下を爽快に駆け抜け、我々を安全に目的地まで届けるのだった。

「ここ、なのか? 一好がどうしても来たかった場所って。」

「正確には、もう少し向こう側だけどね。まあ、せっかくだから全部見て欲しい。」


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