僕らは運命の意味を探していた。
 十六夜ダムを去った後、適当なラーメン屋に入ってお腹を満たし、ホテルへ向かった。

 ホテルに着いてからは自由時間だったが、俺らには全くやる事が無かった。

 だから適当に徘徊しながら、遊ぶ物を決めることにした。早速俺らは、雑談を交わしながら歩き回った。

 二十階建ての高層ホテル。勿論男女別で二部屋を使用する事になっている。

 正直、二部屋も予約取らなくても、良かったと思うが、そこは思春期高校生への配慮なのだろう。

 二人では、絶対に持て余す広さの部屋。白を基調とした内装や家具、木製なのか木目シートなのかが分からない棚もあった。

 付く電気の色は、白とオレンジの二種類。それぞれ明るさも変えられて、寝る時はかなり便利だった。

 一階に降りると、そこにはアミューズメントパークのように様々な施設があって、俺らは一つずつ遊んでいくことにした。

 プールに行き泳いで、温泉に行って、サウナに入って、温泉卓球して……。

 挙げたらきりがないくらい遊びまくった。

 時を忘れたように遊び惚けた俺らは、真道達についての不安すらも消し去ってしまっていた。

 夕食後、酔いつぶれた院長先生を部屋まで何とか運んで、俺らはカードゲームで遊んでいた。

 ウノやトランプなど、このホテルには遊び道具まで完備されていて、俺らはそこまでを余すとこなく遊び尽くした。

「今何時?」

「日付回ったとこ。そろそろお開きにするか。」

「そうだねー。じゃあ、おやすみ。」

 奏ちゃんはあくびしながらそう言った。

「おやすみって言っても、あんまり眠くないのよね。」

 来海は、昼間散々寝ていたためか、眠気は無いらしい。目もかなり冴えているようだった。

 しかし奏ちゃんは、そう言う来海の首根っこを掴んで、女子部屋まで連行した。

 どうやら一人で寝るのが寂しかったらしい。

「俺らも寝るか。」

 俺も一好に提案した。

「ああ。おやすみ。」

 そして俺は電気を消した。ほとんど視界が無い中で、一好の寝息だけが聞こえた。

 俺も一好の状態にならないかと、眠気の到来を待っていた。

 
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