僕らは運命の意味を探していた。
少し間が開いて、来海は唐突に、俺の昔話を聞いてきた。
「覚えてる? 隼人が真道と初めて会ったときに言った言葉。」
俺は、忘れたくても忘れられなかった。あれは俺の人生最大級の黒歴史と言っても、過言では無かったから。
「お前、何調子乗ってんの? って本気で言ってる人、初めて見たからびっくりしたのよ。」
高一の頃、初めて同じクラスになった真道は、決して陽気ではなかった。自分から話しかけに行くタイプでもなかった。
そうであるにも関わらず、真道は、友達とまでいかないにしろ、皆と打ち解けている感はあった。
その当時、俺がやさぐれていたからだと思う。中学の友達に裏切られて自暴自棄になっていた。
「隼人、あからさまに嫌ってたもんね。」
「ああ。今となっては考えられねえけどな。」
俺と真道が仲良くなったきっかけは、多分来海があきと、仲良くなったことだと思う。
ずっと来海と二人だった俺は、自然と真道に話す機会が多くなった。
初めは嫌悪感が、かなり出ていたと思う。何度か無視した事もあった。
それでも話してみて分かった。真道はいい人間だと。人を裏切るような事は一生無いと。
真道の言葉の節々から、柔らかい感じがして、悪意とか嫌な部分が全く見えなかった。だから心を開けたのだと思う。
真道と会話を重ねる中で、アツとも仲良くなった。
ちょっと弱弱しい感じだったけど、人の気持ちにより添える人で、アニメとか漫画とかで、趣味が合うから、話も自然と盛り上がった。
真道、俺、あき、来海、アツ。この五人で俺らは、和気藹々とした雰囲気を出すグループが出来上がった。
そのグループで高校生活、大学や社会人になっても仲良くいられるような感覚が、俺にはあった。
そんな中、転機が訪れたのはちょうど一年前。アツの交通事故だった。
その直後から、真道が学校に来なくなって、周りにも塩対応だった。
クラスや真道の事を知っている人からすれば、事情を察して、話しかけないだとか塩対応でも割り切るとか、慈悲の心を持ってくれた。
しかし、何も知らない他の連中は、昔の俺のような事を言い出した。
調子に乗っている、ウザい、陰キャ、などなど。悪口は様々だった。
そんな中、真道は周りと一切の交流を遮断していたのか、そんな悪口すら、耳に入っていないようだった。
それを見た他の連中も、次第にちょっかいを出さなくなった。
恐らく、真道の周りの人が言っていた事情を理解したのだと、俺は思った。
そして今も、真道の様子に変化はない。相変わらず時間通り登校はするものの、真道は、あきとですら話そうとしなかった。
どうにか出来ないものかと、あきと俺と来海で、外に連れ出す算段を立てた。
引きこもりっぱなしでは体に悪いからという、あきの発案で俺らは計画を練った。
しかし当日になって、あきと真道は昏睡状態で見つかった。正直頭が真っ白になった。
まさか自殺でも図ったのかと、肝を冷やした。
でも、六人が同じ状態で発見されたと聞いた時に、その可能性が無くなり、自殺願望という最悪の選択肢が消えた。
そのことに俺は、若干の安堵を覚えていた。
「覚えてる? 隼人が真道と初めて会ったときに言った言葉。」
俺は、忘れたくても忘れられなかった。あれは俺の人生最大級の黒歴史と言っても、過言では無かったから。
「お前、何調子乗ってんの? って本気で言ってる人、初めて見たからびっくりしたのよ。」
高一の頃、初めて同じクラスになった真道は、決して陽気ではなかった。自分から話しかけに行くタイプでもなかった。
そうであるにも関わらず、真道は、友達とまでいかないにしろ、皆と打ち解けている感はあった。
その当時、俺がやさぐれていたからだと思う。中学の友達に裏切られて自暴自棄になっていた。
「隼人、あからさまに嫌ってたもんね。」
「ああ。今となっては考えられねえけどな。」
俺と真道が仲良くなったきっかけは、多分来海があきと、仲良くなったことだと思う。
ずっと来海と二人だった俺は、自然と真道に話す機会が多くなった。
初めは嫌悪感が、かなり出ていたと思う。何度か無視した事もあった。
それでも話してみて分かった。真道はいい人間だと。人を裏切るような事は一生無いと。
真道の言葉の節々から、柔らかい感じがして、悪意とか嫌な部分が全く見えなかった。だから心を開けたのだと思う。
真道と会話を重ねる中で、アツとも仲良くなった。
ちょっと弱弱しい感じだったけど、人の気持ちにより添える人で、アニメとか漫画とかで、趣味が合うから、話も自然と盛り上がった。
真道、俺、あき、来海、アツ。この五人で俺らは、和気藹々とした雰囲気を出すグループが出来上がった。
そのグループで高校生活、大学や社会人になっても仲良くいられるような感覚が、俺にはあった。
そんな中、転機が訪れたのはちょうど一年前。アツの交通事故だった。
その直後から、真道が学校に来なくなって、周りにも塩対応だった。
クラスや真道の事を知っている人からすれば、事情を察して、話しかけないだとか塩対応でも割り切るとか、慈悲の心を持ってくれた。
しかし、何も知らない他の連中は、昔の俺のような事を言い出した。
調子に乗っている、ウザい、陰キャ、などなど。悪口は様々だった。
そんな中、真道は周りと一切の交流を遮断していたのか、そんな悪口すら、耳に入っていないようだった。
それを見た他の連中も、次第にちょっかいを出さなくなった。
恐らく、真道の周りの人が言っていた事情を理解したのだと、俺は思った。
そして今も、真道の様子に変化はない。相変わらず時間通り登校はするものの、真道は、あきとですら話そうとしなかった。
どうにか出来ないものかと、あきと俺と来海で、外に連れ出す算段を立てた。
引きこもりっぱなしでは体に悪いからという、あきの発案で俺らは計画を練った。
しかし当日になって、あきと真道は昏睡状態で見つかった。正直頭が真っ白になった。
まさか自殺でも図ったのかと、肝を冷やした。
でも、六人が同じ状態で発見されたと聞いた時に、その可能性が無くなり、自殺願望という最悪の選択肢が消えた。
そのことに俺は、若干の安堵を覚えていた。