僕らは運命の意味を探していた。
「今後、どうなるんだろうね。」

「見当もつかねえよ。どうしたら、あいつらを救えるのか、方法を知りたい。」

「医者ですらお手上げ状態じゃ、私たちには何も出来なわね……。」

「そうだな……。」

 俺は、力ない返事だけを来海に返した。というか、これだけしか返す方法を思いつかなかった。

「まあ、待ちましょ。四人が無事に帰って来るまで、何年かかってもさ。」

「そうだな。でも正直さ、早く帰っていてもらいてえけど、そんな欲、言っちゃいけねえよな。」

「いいんじゃない。言うのはタダだし。」

 来海はそう言って俺に笑って見せた。

 そして来海はおもむろに、スマホで時間を確認した。

「もう一時間は喋ってるわね。そろそろ寝る?」

「俺はどっちでもいいけど。来海が寝ないなら俺は付き合うぞ。」

「じゃ、もう少しだけ、付き合ってちょうだい。」

 俺は肯定的な返答をして、その場に留まる事を決めた。

 その後は明るくなるまで、雑談めいた話をしていた。

 
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