僕らは運命の意味を探していた。
そして、車の中で二人が寝息を立てたのは、言うまでも無かった。
ワゴン車の中。席は行きと一緒で、親友の男女が隣に座るという座組になっていた。
二列目の一好たちは、仲良さげに雑談を交わしていた。三列目の俺たちは、席の真ん中あたりで頭を合わせて、共に眠っていた。
「ほんと、あの二人仲いいよねー。」
「昔からの顔馴染みなんだし、自然とそうなったんじゃないの?」
一好と奏ちゃんが出会ったのは高校。だから、二人からしたら俺らの関係性に、あまりピンときていないのかもしれない。
二人がこれから大学、社会人と時間を共にすれば、自ずと二人の関係性は俺らと似通ってくることだろう。
時間の長さ=関係値の高さ。
そういう訳では決してない。俺はそう思って生きて来た。
やはり長さより、関係性の濃さの方が重要だ。いくら長い期間一緒にいるからって、二人が恋人同士になることは限らない。
共に過ごした時間がどれほど濃密で、二人にとって実のあるものだったかどうか。一番はそこじゃないかなと、俺は思う。
勿論長さも重要だ。沢山の時間を過ごして、徐々に距離が縮まっていく二人なら、それが一番の近道になるだろう。
「この後どこ行くのー?」
「一岡と、敦君のお墓に手を合わせに行く。奏たちは全く知らない人だから、無理に来なくても良いけど。一緒に来る?」
「行かんとくよ。そこはやっぱりさ、無関係のウチが行くのも、変っしょ?」
奏ちゃんは珍しく遠慮するように言った。
ここら辺のナイーブな問題に対しては、かなり気を使って接してくれているようだった。
「変じゃないと思うけど。……まあ、そう言う事なら、一人で行ってくるよ。」
一好も奏ちゃんの優しさを汲み取ったようで、一人で行く事に決めたらしい。
恐らく、今日までの軌跡を、一岡のお墓の前で言うだろう。
決して声を出すことは無く、ただ心の中で呟くだけ。それでも一岡には届くと、俺は思う。
俺もアツのお墓では同じような事をしたいと思っていた。
一年ぶりにあいつに会えるような気がして、凄く嬉しかった。
車が停車し、その反動で俺は目を覚ました。俺は虚ろな目で、車を降りる一好の姿を見た。
その姿は、意識が朦朧としている俺では、到底理解できないような、複雑な感情が蠢いているように見えた。
どこか虚しく、希望を持っていて、後悔の念も含まれている。
ほんの一部の感情が読み取れたが、まだまだ抱えている感情は計り知れなかった。
俺は再び目を閉じて、アツの墓の前で言う事を考えていた。
すぐに夢の世界に行くことは無く、しばらくの間、意識だけがはっきりしている状態で、一好の帰りを待っていた。
やはり中々帰ってはこなかった。
あれだけ強い感情を有していた一好だからこそ、積もる話も沢山あるのだろう。俺はそう思った。
そして俺は再び、知らない間に、意識が飛んで眠りに落ちていた。
寝息を立てる二人の男女は、傍から見れば恋人だと思われるような、そんな恰好で眠っていた。
ワゴン車の中。席は行きと一緒で、親友の男女が隣に座るという座組になっていた。
二列目の一好たちは、仲良さげに雑談を交わしていた。三列目の俺たちは、席の真ん中あたりで頭を合わせて、共に眠っていた。
「ほんと、あの二人仲いいよねー。」
「昔からの顔馴染みなんだし、自然とそうなったんじゃないの?」
一好と奏ちゃんが出会ったのは高校。だから、二人からしたら俺らの関係性に、あまりピンときていないのかもしれない。
二人がこれから大学、社会人と時間を共にすれば、自ずと二人の関係性は俺らと似通ってくることだろう。
時間の長さ=関係値の高さ。
そういう訳では決してない。俺はそう思って生きて来た。
やはり長さより、関係性の濃さの方が重要だ。いくら長い期間一緒にいるからって、二人が恋人同士になることは限らない。
共に過ごした時間がどれほど濃密で、二人にとって実のあるものだったかどうか。一番はそこじゃないかなと、俺は思う。
勿論長さも重要だ。沢山の時間を過ごして、徐々に距離が縮まっていく二人なら、それが一番の近道になるだろう。
「この後どこ行くのー?」
「一岡と、敦君のお墓に手を合わせに行く。奏たちは全く知らない人だから、無理に来なくても良いけど。一緒に来る?」
「行かんとくよ。そこはやっぱりさ、無関係のウチが行くのも、変っしょ?」
奏ちゃんは珍しく遠慮するように言った。
ここら辺のナイーブな問題に対しては、かなり気を使って接してくれているようだった。
「変じゃないと思うけど。……まあ、そう言う事なら、一人で行ってくるよ。」
一好も奏ちゃんの優しさを汲み取ったようで、一人で行く事に決めたらしい。
恐らく、今日までの軌跡を、一岡のお墓の前で言うだろう。
決して声を出すことは無く、ただ心の中で呟くだけ。それでも一岡には届くと、俺は思う。
俺もアツのお墓では同じような事をしたいと思っていた。
一年ぶりにあいつに会えるような気がして、凄く嬉しかった。
車が停車し、その反動で俺は目を覚ました。俺は虚ろな目で、車を降りる一好の姿を見た。
その姿は、意識が朦朧としている俺では、到底理解できないような、複雑な感情が蠢いているように見えた。
どこか虚しく、希望を持っていて、後悔の念も含まれている。
ほんの一部の感情が読み取れたが、まだまだ抱えている感情は計り知れなかった。
俺は再び目を閉じて、アツの墓の前で言う事を考えていた。
すぐに夢の世界に行くことは無く、しばらくの間、意識だけがはっきりしている状態で、一好の帰りを待っていた。
やはり中々帰ってはこなかった。
あれだけ強い感情を有していた一好だからこそ、積もる話も沢山あるのだろう。俺はそう思った。
そして俺は再び、知らない間に、意識が飛んで眠りに落ちていた。
寝息を立てる二人の男女は、傍から見れば恋人だと思われるような、そんな恰好で眠っていた。