僕らは運命の意味を探していた。
どうしてだろう、ちっぽけな虚無感を覆いかぶせるような、晴れやかな気持ちが心にあった。
一年間も会えないはずなのに、俺はどうしてこんな解放感に満ちているだろうか。俺は疑問に思っていた。
しかし、これがあの時見た一好の表情の理由なのだと、すぐに理解できた。
口では決して説明できない、何か清々しい気持ちが俺の中を流れている。
展望台で壮大な風景を目にした時とは全く別で、けどその時と同じように、言葉では言い表せなくて。
語彙力が無いのか、表現力が無いのか、ただ鈍感なだけなのか。
よく分からないけど確実に言えるのは、心が軽くなったということ。
言いたいことは山ほどあった。
それでも、言葉に出来たという事実が、心の重りを外してくれたのだろう。
面と向かってではないにしろ、胸の中に貯まっていた物が吐き出されたから、俺はこの感覚を抱いた。
俺は車に乗り込み、来海の隣に腰を下ろした。すぐにエンジンがかかると、おもむろに発進した。
時間を忘れ、俺が自分と向き合っていた間に、一時間ぐらい経過していたそう。
自分の体内時計を疑問視せざるを得なかった。
車内で俺は質問攻めを受けていた。俺にはその原因が容易に想像できた。
「隼人時間かかり過ぎ! 何してたのよ。」
「何って、来海たちと一緒だって。変な事はしてねえよ。」
俺はそう弁明するも、皆から疑いの眼差しが終わる事はなかった。
「心外だな。ずっと心の中でぶつぶつ言ってただけだって。」
「けどよ。考えてみろ、それだけで一時間て、怪しすぎだろ……。」
「確かにそうだけど。でも事実なんだから仕方ねえだろ。」
「まあ、そうね。……で、何を言ってたのよ。」
来海は詮索を諦めた代わりに、俺の報告の内容を、吐かせようとしていた。
「言わなきゃ駄目か?」
「ああ。ここまで待たせたんだから。白状させるぞ。」
一好の言葉を受けて俺は気づいた。『これは吐くまで終わらないぞ。』と。
だから俺は、覚悟を決めて洗いざらい全てを話すことにした。
俺が話し終わった後、車内には重苦しい空気が流れていた。
しばらくの間、誰一人として口を開くことはなく、目線すら合わせようとはしなかった。
二人が俺の言葉に多少なり納得していたのも、また事実だった。
氷のような雰囲気から解放されたのは、奏ちゃんの寝息が聞こえてからだった。
そこから徐々に空気は柔らかくなっていった。
俺らを乗せた白のワゴン車は、自宅方面へと帰っていった。
院長先生の厚意でそれぞれの自宅まで送り届けてくれ、何から何まで全てやってくれた。
感謝してもしきれない程、院長先生にはお世話になりっぱなしだった。
最後に車から降り、お礼を言って視界に入らなくなるまで見送った。
夕暮れの空、雲の割合も減り、オレンジの空が綺麗に見えていた。
しかし翌日からは、雨模様が続く見通しで、次にこの空を拝めるのはいつになるのか、俺には分からなかった。
一年間も会えないはずなのに、俺はどうしてこんな解放感に満ちているだろうか。俺は疑問に思っていた。
しかし、これがあの時見た一好の表情の理由なのだと、すぐに理解できた。
口では決して説明できない、何か清々しい気持ちが俺の中を流れている。
展望台で壮大な風景を目にした時とは全く別で、けどその時と同じように、言葉では言い表せなくて。
語彙力が無いのか、表現力が無いのか、ただ鈍感なだけなのか。
よく分からないけど確実に言えるのは、心が軽くなったということ。
言いたいことは山ほどあった。
それでも、言葉に出来たという事実が、心の重りを外してくれたのだろう。
面と向かってではないにしろ、胸の中に貯まっていた物が吐き出されたから、俺はこの感覚を抱いた。
俺は車に乗り込み、来海の隣に腰を下ろした。すぐにエンジンがかかると、おもむろに発進した。
時間を忘れ、俺が自分と向き合っていた間に、一時間ぐらい経過していたそう。
自分の体内時計を疑問視せざるを得なかった。
車内で俺は質問攻めを受けていた。俺にはその原因が容易に想像できた。
「隼人時間かかり過ぎ! 何してたのよ。」
「何って、来海たちと一緒だって。変な事はしてねえよ。」
俺はそう弁明するも、皆から疑いの眼差しが終わる事はなかった。
「心外だな。ずっと心の中でぶつぶつ言ってただけだって。」
「けどよ。考えてみろ、それだけで一時間て、怪しすぎだろ……。」
「確かにそうだけど。でも事実なんだから仕方ねえだろ。」
「まあ、そうね。……で、何を言ってたのよ。」
来海は詮索を諦めた代わりに、俺の報告の内容を、吐かせようとしていた。
「言わなきゃ駄目か?」
「ああ。ここまで待たせたんだから。白状させるぞ。」
一好の言葉を受けて俺は気づいた。『これは吐くまで終わらないぞ。』と。
だから俺は、覚悟を決めて洗いざらい全てを話すことにした。
俺が話し終わった後、車内には重苦しい空気が流れていた。
しばらくの間、誰一人として口を開くことはなく、目線すら合わせようとはしなかった。
二人が俺の言葉に多少なり納得していたのも、また事実だった。
氷のような雰囲気から解放されたのは、奏ちゃんの寝息が聞こえてからだった。
そこから徐々に空気は柔らかくなっていった。
俺らを乗せた白のワゴン車は、自宅方面へと帰っていった。
院長先生の厚意でそれぞれの自宅まで送り届けてくれ、何から何まで全てやってくれた。
感謝してもしきれない程、院長先生にはお世話になりっぱなしだった。
最後に車から降り、お礼を言って視界に入らなくなるまで見送った。
夕暮れの空、雲の割合も減り、オレンジの空が綺麗に見えていた。
しかし翌日からは、雨模様が続く見通しで、次にこの空を拝めるのはいつになるのか、俺には分からなかった。