僕らは運命の意味を探していた。
初めに視界に入ったのは、木造の三階建ての建物だった。

 僕が目覚めた大きな道路に隣接し、フェンスに囲まれ、所々に綻びが見られる。僕が目覚めた道路に隣接し、フェンスに囲まれていて、所々に綻びが見られるそれは、自分が主役であるかのように堂々と鎮座していた。

 二宮金次郎像が倒れているところから見ると、やはり旧校舎なのだろう。

 一度、表に回ってみる。やはり思った通りだった。錆びついた鉄棒や穴の空いたタイヤなど、いかにもの用具があちらこちらに見受けられた。

 とりあえず、中に入ってみよう。手掛かりは多い方が良いに決まっているからな。

 校庭を抜けて、昇降口をくぐる。あちこちに蜘蛛の巣があって、埃っぽい空気が充満していた。埃が苦手な僕には少々苦しい場所だが、今はそんなしょうもない敵と対峙している場合ではなかった。

 「ん? 綺麗になっているところがあるな……。」

 昇降口らしき所から廊下を伝い移動する中で、不自然に埃が無くなっている箇所がいくつもあった。なぜか不等間隔に埃が無くなっている。どうやらここに何かがあるようだ。

 様々な不自然極まりない痕跡を眺める間、徐々に胸の底から湧き上がってくる感触があった。煮えたぎるマグマのような熱い何かが胸の中に溜まっていく。そして次の瞬間僕は、自分の知る由もなかった真実に向かって無意識的に駆け出していた。
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