僕らは運命の意味を探していた。
あきの手は夏場とは思えないほどに冷えていた。それだけ長い時間この風に当たっていたのだと思うと、少し心が痛くなった。

 僕はさらに一層、彼女の手を強く握った。

「もう少し、自分の体をいたわってよ。手も冷たいしさ、無理はあまりしないで。」

「うん…………。」

 あきは、しゅんと、青菜のように塩らしくなってしまった。

 しかし原因は、僕らが長い時間捜索活動を行っていた事である。僕は自分の言動を反省するばかりだった。

「あき……。その、ありがとな。心配していてくれて……。僕らの事が心配で不安で心配だったから、ああやって、あそこで出迎えてくれてたんだよね。」

 僕は肩を落とすあきに言った。

 僕には、些か直接お礼を言うのが恥ずかしく思えた。思春期特有の気恥ずかしさというやつだ。

 あまりあきと顔を合わせたくは無かった。  

 多分、あきとは比べられないほどに顔が真っ赤になっているだろうから、早く背けたかった。

「僕らの事が心配で不安だったから、ああやって、あそこで出迎えてくれたんだよね。」

「マー君て、変に不器用だよね。こういう辺り、気付いてるのに声に出せないんだもの。」

「うっせ……。こういう性格なんだよ。」

「ううん。全然悪くないよ。むしろ安心するよ、いつものマー君だからさ。」

 あきは困ったように笑った。

 僕はこの雰囲気に、いたたまれなさを感じていた。

 目を合わせられないのが一番の原因だと思うが、会話そのものにぎこちなさを感じていた。

 恐らく時間が空けば元に戻るだろう。しかし、僕はすぐにでもこの場から早く去りかった。

 僕らは変な気まずさを抱えながら会話を重ねていると、隣の男が咳払いをしながら入ってきた。

「んっんん……‼ あのさ、イチャつくのは勝手だけど、二人の時にしてくれないか。俺も過ごし方が分からん・・・・・・。」

「ああ、ごめんな……。というか、イチャついてなんかないぞ!」

「はいはい……。ごちそうさまでした。満腹過ぎて、明日の朝ごはん食べれるかな・・・・・・?」

 司令官はそう言い残すと、そのまま基地に入っていった。

 彼の去り際の一言に関しては反論したい部分が沢山あったが、今更言い返すのも面倒臭かった。

 それから僕ら活動組とあきが休息を取った後、報告会議なるものが行われた。

 「こんなメモを見つけたぞ。そして今回、体が反応したのは真道だった。という事は何かしらで真道はこの件に関わっているという事になる。」

 
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