僕らは運命の意味を探していた。
 そうして僕らは昇降口を後にして、炎天下の中を歩いて行った。

「……そんなにくっつくなって。」

「良いじゃんたまにはさ。こんな機会滅多にないんだし。」

 あきは街中を歩くカップルのように手を組んできた。

 この環境下だと結構しんどかった。

 教室とかならいくらでもいいが、もう少し自重してもらえると助かる、僕はそう思った。

 しかしあきに止める素振りはなく、僕は無言で覚悟を決めた。

 そんな調子で、僕らは『幼馴染の休日』を楽しんでいた。

「日も暮れてきたから、そろそろ帰るか。」

 日も傾いてきて、気温も比較的過ごしやすくなってきた。

 一日中二人でこの世界を歩き回り、汗の量も尋常ではない。ここが現実世界でないと改めて感じた。

「えー。もう少しだけお願い。」

 僕は疲れてヘトヘトの中、あきはまだ何かやりたい事があるらしかった。

 乗りかかった船だから付き合うが、正直今すぐにでも横になりたかった。

「はあ……。分かったよ。で、どこに行くんだ?」

 僕は半ば諦めたようにそう言った。

 
< 43 / 169 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop