僕らは運命の意味を探していた。
昇降口と真反対に位置する突き当り。そこの屋上に向かう階段下から、不気味な話し声が聞こえて来た。
僕らは互いに顔を見合わせると、生唾を飲み込んで、声の方へ一歩ずつ近づいて行った。
「と、友花、か……。」
「……ようやく来たわね。今からあんたら全員を、どん底に落としてやるから、そこで大人しく見てなさい。」
不吉な笑顔を浮かべる友花はおもむろに右ポケットに手を突っ込むと、十三枚の紙きれを取り出した。
「っ‼・・・・・・やっぱり、お前だったのか……。」
「ええ。そうよ。あんたなら、私だって事くらいすぐに気づくだろうと思ってたけど、案の定だったわね。でもあんたは遅かったのよ。なんたって私の手には、あんたらの希望があるんだからね。」
友花の嘲笑うような表情は、更に僕らを見下すようになった。
そして友花は両手に紙きれを持つと、すぐさま破るようなしぐさを見せた。
「私にはこうする権力だってあるの。どう? 今の気持ちは。」
嘲笑の度合いは頂点を迎え、顔だけでなく声までも僕らを馬鹿にしていた。
彼女の態度に腹も立つし、怒鳴りつけたい気分にもなった。
しかし下手に動けば、友花は両手に持っているそれを、見るも無残な形に変えてしまうだろう。僕は極力、友花の機嫌を損ねないように振舞うことにした。
「何が目的なんだよ。」
「そうね……。私に司令官をやらせなさいよ。」
「司令官? なんで?」
僕には全く友花の意図が分からなかった。
司令官は俊也以上に適任はいないと思うし、はっきり言って友花は、この場の全員を指揮する能力は持っていない。
恐らく今まで円滑に進んでいた活動も、ぎこちなさが生まれてしまうだろう。
「気にくわないのよ‼ あんな無能な司令官と、探偵気取りのあんたが‼ いつもいつも私の出す案にケチ付けて、自分の出す案には理論でまくしたてるその態度に。少しでも私の意見を聞いてくれようとした? みんなから、凄いって持ち上げられていい気になってるかもしれないけど、私はあなたを認めたことは無かったわ。」
要するに、友花の意見に対して、色々反論する僕や司令官が気に食わないということだった。逆恨みの一種なのだろう。
「あのな……、僕の意見だって半分以上は却下されてるぞ。僕は打つ数が多いから、採用数も多くなってるだけだから。僕だってみんなから、結構酷いダメ出しだって何度も受けてるよ?」
「ああ、そうだ。それによ、お前ごときの提案じゃ、話し合いにすらなんねえよ。」
司令官も僕らの会話が耳に入ってきたようで、知らぬ間に僕の隣に立っていた。
司令官は挑発ともとれる発言をしていた。
僕らは互いに顔を見合わせると、生唾を飲み込んで、声の方へ一歩ずつ近づいて行った。
「と、友花、か……。」
「……ようやく来たわね。今からあんたら全員を、どん底に落としてやるから、そこで大人しく見てなさい。」
不吉な笑顔を浮かべる友花はおもむろに右ポケットに手を突っ込むと、十三枚の紙きれを取り出した。
「っ‼・・・・・・やっぱり、お前だったのか……。」
「ええ。そうよ。あんたなら、私だって事くらいすぐに気づくだろうと思ってたけど、案の定だったわね。でもあんたは遅かったのよ。なんたって私の手には、あんたらの希望があるんだからね。」
友花の嘲笑うような表情は、更に僕らを見下すようになった。
そして友花は両手に紙きれを持つと、すぐさま破るようなしぐさを見せた。
「私にはこうする権力だってあるの。どう? 今の気持ちは。」
嘲笑の度合いは頂点を迎え、顔だけでなく声までも僕らを馬鹿にしていた。
彼女の態度に腹も立つし、怒鳴りつけたい気分にもなった。
しかし下手に動けば、友花は両手に持っているそれを、見るも無残な形に変えてしまうだろう。僕は極力、友花の機嫌を損ねないように振舞うことにした。
「何が目的なんだよ。」
「そうね……。私に司令官をやらせなさいよ。」
「司令官? なんで?」
僕には全く友花の意図が分からなかった。
司令官は俊也以上に適任はいないと思うし、はっきり言って友花は、この場の全員を指揮する能力は持っていない。
恐らく今まで円滑に進んでいた活動も、ぎこちなさが生まれてしまうだろう。
「気にくわないのよ‼ あんな無能な司令官と、探偵気取りのあんたが‼ いつもいつも私の出す案にケチ付けて、自分の出す案には理論でまくしたてるその態度に。少しでも私の意見を聞いてくれようとした? みんなから、凄いって持ち上げられていい気になってるかもしれないけど、私はあなたを認めたことは無かったわ。」
要するに、友花の意見に対して、色々反論する僕や司令官が気に食わないということだった。逆恨みの一種なのだろう。
「あのな……、僕の意見だって半分以上は却下されてるぞ。僕は打つ数が多いから、採用数も多くなってるだけだから。僕だってみんなから、結構酷いダメ出しだって何度も受けてるよ?」
「ああ、そうだ。それによ、お前ごときの提案じゃ、話し合いにすらなんねえよ。」
司令官も僕らの会話が耳に入ってきたようで、知らぬ間に僕の隣に立っていた。
司令官は挑発ともとれる発言をしていた。