僕らは運命の意味を探していた。
「あき。」
僕は彼女の名前を呼んで、抱きしめた。不器用な僕には、こうする他に選択肢が思い浮かばなかった。
「ごめんな。僕は、君の気持ちに気付くことも、器用に君の気持ちに寄り添えるような言葉を投げかけることも、何もかも僕には出来っこないんだ。隣に座って、話を聞く事くらいしか出来ない僕を許してくれ。」
僕はあきの腰に手をまわし、優しく抱きしめた。あきは僕の胸に顔を埋めると、小さな声で言った。
「いいの……。それだけでいいの……。特別な事なんて必要ないから……。」
そして、あきもまた腰に手をまわして抱きしめた。
「君の大好きだった友達を、苦しめる幼馴染でごめんな……。こんなどうしようもない幼馴染でごめん、な……。」
隠していた気持ちが、溢れ出して止まらない。
僕はずっと後悔していた。
親し気に話す二人の関係を壊してしまったのは、もしかしたら僕の何気ない行動の一つではないだろうかと。
友花が亡くなってから、時々、胸が締め付けられるような感情に襲われる。
それは間違いなく、彼女に対する罪悪感が原因だった。
「本当にそうだね・・・・・・。君は本当に困った幼馴染だよ・・・・・・。」
「ごめん……。」
「でもね、それ以上に君は、周りの人たちを助けてくれたの。だから、自信持ってよ。あの子を苦しめちゃったかもしれない、でも沢山の困った人たちを笑顔にしてきたんだから。私もそのうちの一人だよ。」
あきが、そう言ってくれるのが嬉しかった。僕も生きていていいって、そう思えたから。
「いつもありがとう、あき。」
「何よ、改まって。」
「僕の心の支えになってくれてさ。」
あきがいなかったら、もっと冒頭で心が折れていたのは間違いない。
過酷で、劣悪な環境に身を置いてもう十六日。司令官や紗南、何よりあきのお陰で今日まで生きて居られている。
それは揺るぎない事実だった。
「それはお互い様だよ。私だって、いつも励ましてくれるマー君に支えられているもの。」
ああ、そうだったのか。
「僕もそんな存在になれてたんだな。」
「うん。私のヒーローだもん。」
「何か恥かしいな……。」
「何でよ。別に恥ずかしい事ないよ?」
あきは不思議そうな顔で僕を見るが、面と向かって褒められるとやはり、気恥ずかしさがぬぐえなかった。
「そんな照屋さんには、お仕置きだぞ‼」
「っ……‼」
唇に何やら柔らかい感触がした。
ずっと触れていたいような心地よさをまとって、僕の唇に触れている。
僕は今この瞬間に、『幸せ』という漠然とした言葉の、本当の意味を理解したような気がした。
「不意打ち過ぎるぞ……。」
「良いじゃん、たまには。私もしたかったしさ。」
昼間だから、あきの火照った顔がよく見えた。
「少しは、元気出たか?」
「うん。まだ時間はかかりそうだけど、少し戻った気がするよ。」
それは何よりだった。
不器用ながらにいろいろ考えた甲斐があったと思った。
僕は彼女の名前を呼んで、抱きしめた。不器用な僕には、こうする他に選択肢が思い浮かばなかった。
「ごめんな。僕は、君の気持ちに気付くことも、器用に君の気持ちに寄り添えるような言葉を投げかけることも、何もかも僕には出来っこないんだ。隣に座って、話を聞く事くらいしか出来ない僕を許してくれ。」
僕はあきの腰に手をまわし、優しく抱きしめた。あきは僕の胸に顔を埋めると、小さな声で言った。
「いいの……。それだけでいいの……。特別な事なんて必要ないから……。」
そして、あきもまた腰に手をまわして抱きしめた。
「君の大好きだった友達を、苦しめる幼馴染でごめんな……。こんなどうしようもない幼馴染でごめん、な……。」
隠していた気持ちが、溢れ出して止まらない。
僕はずっと後悔していた。
親し気に話す二人の関係を壊してしまったのは、もしかしたら僕の何気ない行動の一つではないだろうかと。
友花が亡くなってから、時々、胸が締め付けられるような感情に襲われる。
それは間違いなく、彼女に対する罪悪感が原因だった。
「本当にそうだね・・・・・・。君は本当に困った幼馴染だよ・・・・・・。」
「ごめん……。」
「でもね、それ以上に君は、周りの人たちを助けてくれたの。だから、自信持ってよ。あの子を苦しめちゃったかもしれない、でも沢山の困った人たちを笑顔にしてきたんだから。私もそのうちの一人だよ。」
あきが、そう言ってくれるのが嬉しかった。僕も生きていていいって、そう思えたから。
「いつもありがとう、あき。」
「何よ、改まって。」
「僕の心の支えになってくれてさ。」
あきがいなかったら、もっと冒頭で心が折れていたのは間違いない。
過酷で、劣悪な環境に身を置いてもう十六日。司令官や紗南、何よりあきのお陰で今日まで生きて居られている。
それは揺るぎない事実だった。
「それはお互い様だよ。私だって、いつも励ましてくれるマー君に支えられているもの。」
ああ、そうだったのか。
「僕もそんな存在になれてたんだな。」
「うん。私のヒーローだもん。」
「何か恥かしいな……。」
「何でよ。別に恥ずかしい事ないよ?」
あきは不思議そうな顔で僕を見るが、面と向かって褒められるとやはり、気恥ずかしさがぬぐえなかった。
「そんな照屋さんには、お仕置きだぞ‼」
「っ……‼」
唇に何やら柔らかい感触がした。
ずっと触れていたいような心地よさをまとって、僕の唇に触れている。
僕は今この瞬間に、『幸せ』という漠然とした言葉の、本当の意味を理解したような気がした。
「不意打ち過ぎるぞ……。」
「良いじゃん、たまには。私もしたかったしさ。」
昼間だから、あきの火照った顔がよく見えた。
「少しは、元気出たか?」
「うん。まだ時間はかかりそうだけど、少し戻った気がするよ。」
それは何よりだった。
不器用ながらにいろいろ考えた甲斐があったと思った。