僕らは運命の意味を探していた。
四章

亀裂

 暗闇だった。

 目の前すら何があるのか分からない。

 自分が目を開けているという感覚さえ持てないまま、深海を漂っているような気分を味わっていた。

 何時間ここにいて、僕は何のためにここに存在していて。

 そんな当たり前に出来ていた理由付けが、不可能になっていた。

 もう、いっそこのまま奥深くに沈んでも僕は何も思わない。というか思えなかった。

 僕自身がこの場所から抜け出すための力も無ければ、技術も無い。単純に、無力すぎだ。

 今まで、道を踏み外しても正してくれる先生のような人、努力を応援してくれる応援団長のような人、困った時に手を貸してくれる友達が身近にいて、いつでも僕を助けてくれた。

 そしてそんな優しさの塊のような人たちに、僕は甘え続けていた。

 でももう甘えは許されない。二人を死に追いやってしまった僕にそんな権利があるとは思えなかった。

 余計な言葉を掛けて怒らせて、自分の心が弱いせいで同情させて。

 そんなクズ野郎の最後は、それがお似合いなのだろう。

 残酷で、一番苦しい方法で処刑されるのが、自分的に一番納得できる形だった。

 それが今、体現できていると思うと、なんだか心が軽くなってきた。

 僕は再び瞼を閉じて、心も体もすべてを脱出に捧げ、何もかもを投げ出した。でも、現実はそう甘くなかったようだ。

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