僕らは運命の意味を探していた。
「…………ごめん、風に当たってくる。」
僕は消えるような声で言った。僕は極力距離を取りたかった。
会話を重ねるほどに、僕は言葉の刃を彼らに振りかざしてしまうのが、目に見えていた。
「……うん。」
紗南の気力の無い相槌に胸を痛ませながら、僕は足早にあの場所に行った。
「……あき。」
この場所に来ると、二人で過ごす毎日を思い出してしまう。
昇降口前の階段、そこはもう僕と彼女の『思い出の場所』という定義に変わっていた。
日陰でも汗ばむくらいの気温と日光量があるこの世界。
それでも、涼しい風は吹いているし、夜には過ごしやすい気温まで低下する時間帯も訪れる。
今日で十八日目。ノルマ的に言うと、今日を入れてあと三日。
心もすでに粉砕されて、立っているのがやっとだった。
ここで僕の現状について考えてみる。
僕に抗う力が残っているのか?
いや、もうタンクは空だ。
じゃあ、やけくそで自分の体を顧みず、無理をする覚悟はあるか?
無理なんてしなくても、そんな体力余裕だ。
まあ、体力なんて無くても、こんな自分が役に立つなら何でもするけどね……。
僕が生きるより、あの二人が現実世界に戻って、ちゃんと過去と向き合って、それで一人前の大人になって欲しいと思っている。
そのためにこれから僕は働こう。そうしたら僕が生きていた意味が少し見つかるのかもしれない。僕はそう思った。
僕は記憶だけが、ほとんど完全な状態だった。もう何となく全貌も見え始めている。
これを遺憾なく発揮して、二人のために尽くそうと誓った。
さあ二人のため、僕の全力を出そう。僕自身が彼らに出来る最高の恩返しを始めようではないか。
僕はそんな決心を固めて、僕は二人に気付かれぬよう、二人の視界に入りづらい出口を考えて、そこから出て行った。
僕は消えるような声で言った。僕は極力距離を取りたかった。
会話を重ねるほどに、僕は言葉の刃を彼らに振りかざしてしまうのが、目に見えていた。
「……うん。」
紗南の気力の無い相槌に胸を痛ませながら、僕は足早にあの場所に行った。
「……あき。」
この場所に来ると、二人で過ごす毎日を思い出してしまう。
昇降口前の階段、そこはもう僕と彼女の『思い出の場所』という定義に変わっていた。
日陰でも汗ばむくらいの気温と日光量があるこの世界。
それでも、涼しい風は吹いているし、夜には過ごしやすい気温まで低下する時間帯も訪れる。
今日で十八日目。ノルマ的に言うと、今日を入れてあと三日。
心もすでに粉砕されて、立っているのがやっとだった。
ここで僕の現状について考えてみる。
僕に抗う力が残っているのか?
いや、もうタンクは空だ。
じゃあ、やけくそで自分の体を顧みず、無理をする覚悟はあるか?
無理なんてしなくても、そんな体力余裕だ。
まあ、体力なんて無くても、こんな自分が役に立つなら何でもするけどね……。
僕が生きるより、あの二人が現実世界に戻って、ちゃんと過去と向き合って、それで一人前の大人になって欲しいと思っている。
そのためにこれから僕は働こう。そうしたら僕が生きていた意味が少し見つかるのかもしれない。僕はそう思った。
僕は記憶だけが、ほとんど完全な状態だった。もう何となく全貌も見え始めている。
これを遺憾なく発揮して、二人のために尽くそうと誓った。
さあ二人のため、僕の全力を出そう。僕自身が彼らに出来る最高の恩返しを始めようではないか。
僕はそんな決心を固めて、僕は二人に気付かれぬよう、二人の視界に入りづらい出口を考えて、そこから出て行った。