内緒の出産がバレたら、御曹司が溺甘パパになりました
私のスマホには悠の連絡先がない。未練を断ち切るためにスマホも番号も変えて、悠の連絡先はすべて消してしまったから。
残っている唯一の手掛かりは、悠の友人氷室さんのお店、氷の月だ。
オーナーの氷室さんならば、もしかしたらなにか知っているかもしれない。
以前氷の月に連れていってもらったとき『なにかあったときは仁を頼るんだよ』と悠に言われた。
あのときは漠然と返事をしたけれど、このときのためだったの?
まさか、ね。
胸でざわつく不安を打ち消し、大きく深呼吸をして、スマホの画面を見る。
指を滑らせて、ピタリと止めたそこに表示されているのは氷の月の電話番号。
氷の月は夜だけのレストランバーだとわかっているけれど、居ても立っても居られず電話をかけてみた。
時刻は夕方の四時。仕込みが始まっていれば誰かでるかもしれない。氷室さんがいなければ言付けをしてまた掛けよう。
呼び出し音五回で『はい。氷の月です』と声がした。
「あの、天野千絵と申しますが、氷室さんはいらっしゃいますか?」
『はい。お待ちください』
残っている唯一の手掛かりは、悠の友人氷室さんのお店、氷の月だ。
オーナーの氷室さんならば、もしかしたらなにか知っているかもしれない。
以前氷の月に連れていってもらったとき『なにかあったときは仁を頼るんだよ』と悠に言われた。
あのときは漠然と返事をしたけれど、このときのためだったの?
まさか、ね。
胸でざわつく不安を打ち消し、大きく深呼吸をして、スマホの画面を見る。
指を滑らせて、ピタリと止めたそこに表示されているのは氷の月の電話番号。
氷の月は夜だけのレストランバーだとわかっているけれど、居ても立っても居られず電話をかけてみた。
時刻は夕方の四時。仕込みが始まっていれば誰かでるかもしれない。氷室さんがいなければ言付けをしてまた掛けよう。
呼び出し音五回で『はい。氷の月です』と声がした。
「あの、天野千絵と申しますが、氷室さんはいらっしゃいますか?」
『はい。お待ちください』