内緒の出産がバレたら、御曹司が溺甘パパになりました
「バカなのか? DNA鑑定されたら一発だろ? しかも悠さんにそっくりだし」

 守は晴太に「晴はパパ似だな」と余計なことを言う。

「目もととかそっくりだ。イケメンになるぞー」

 晴太を奪い取り、守の太ももを足で蹴ってやった。

「イテッ」

 おしゃべりめ。

「ってか姉ちゃん。どうやって生活してんだよ。晴がいたら働けないだろ?」

「今のところ貯金でね。いざとなれば、悠のお父さんから手切れ金もらってるから」

「えっ! 手切れ金? そこは意地でも叩き返すところじゃねぇの?」

 これだから世間知らずは困る。

「あのね。あんただって今自分で言ったでしょ、晴がいたら働けないって」

「そっか。まあ、そりゃ、そうだよな」

 手を付けていないとはいえ、あのお金があるとないとじゃ精神的に違う。
 悠に誤解されようが、誰になんと思われようがね。

「それにしても。どこ行っちゃったんだろう、悠……」

 幸せだったんじゃないの?

 どこで、いったいなにしてるのやら。

 はぁ……。


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