内緒の出産がバレたら、御曹司が溺甘パパになりました

 つくばでの生活が始まって、はや三カ月。
 早いものである。

 晴太の誕生日が過ぎ、クリスマスを迎えて年も越した。

 つくばの家は、ウッドデッキがあってもとは外国人の研究者が住んでいた家らしい。とても広い庭のある素敵な一軒家だった。

 最初はなぜこの地に引っ越したなのかと疑問があったけれど、それはすぐにわかった。つくばにはシルKUの研究所があるのだ。

 悠は時々、私には聞こえないところで電話に出たりしている。多分シルKUの人たちと連絡を取り合っているんだと思う。

「ただいまー」

 今日も、ちょっとと出掛けたけれど、行き先はおそらく、シルKUの研究所だと私はみている。

「おかえりー。夕ご飯できたよ」

 悠がひょっこりと首を伸ばして、お鍋を覗く。

「ん? なにそれ」

「ほうれん草のカレー。ほうれん草をたくさんもらったからね」

「ほぉ」

< 137 / 158 >

この作品をシェア

pagetop