内緒の出産がバレたら、御曹司が溺甘パパになりました
 二階の日当たりのいいとこにも植木鉢が並べてあって、晴太に体調に合わせて、カモミールティーを作って飲ませてくれたり、ひっかき傷ができるとカレンギュラティーをお風呂にいれてくれたりする。

『量を守れば、子どもにもいいんだよ』

 悠は、驚くほどハーブや植物の効能に詳しかった。

 それだけじゃなく、晴太のためにとオリーブオイルの石鹸を作ってくれたり、私のためにハンドクリームを作ってくれたとき、鈍い私でもさすがに気づいた。

 悠は、シルKUの副社長である。

 ただの趣味なんかじゃない。彼の中に今も変わらずシルKUが生きているんだと。

「ここに来てから旬の野菜って違うんだなってわかったよ」

「うん。甘味がね、全然違うな。明日はまた大根もらうかも」

「えー、じゃあ大根餅にしようかな。フライドスティック大根もおいしかったよね」

「いいねー」

 ふふ。おかげで料理のレパートリーが増えていく。

 こんな毎日は楽しいし幸せだけれど、本当にこのままでいいのだろうか。

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