内緒の出産がバレたら、御曹司が溺甘パパになりました
「心配ない。待てば海路の日和ありだ。さあ、安心して帰りなさい。こんなところにいると悠に知れたら大変だ」

 お父さまは、にこにこと微笑んで「写真だけでも見せてくれないか?」と言った。

「私の孫はなんていう名前なんだい?」

「晴太。晴れるに太いと書きます」

「いいね、明るくていい名前だ」

 それから私はスマートホンに記憶されている晴太の写真をお父さまに見せた。

 生まれたときからつい昨日の写真まで。

 お父さまは、それはもう喜んで、三人で会いに来てくれる日をずっと待っているとおっしゃってくれた。

「こらこら、泣かないでおくれ。また悠に怒られてしまう」

「あはは。すみません」


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