内緒の出産がバレたら、御曹司が溺甘パパになりました
 そりゃ、今日だって正直言えば、千絵が知らない男たちと酒を酌み交わしているかと思えばおもしろくはなかったし。

「ねえ悠、今さらだけど、私ビッチでピル飲んでるなんて嘘ついてごめんね」

「え?」

 シュンとうつむく千絵は、本当に申し訳なさそうに小さくなった。

「あのね、最初からそんなのバレバレだよ」

「えっ、そうなの?」

 そんなに驚くか?

「いつわかった? ねえ、いついつ?」

「キスする前からわかったよ。震えてたじゃん」

 ガーン。と文字が浮かびそうな顔をする千絵は「なーんだ」と肩を落とした。

 まあピルについてはわからないけど。確かめようがなかったし。

 頬を膨らませて睨む千絵の顎をすくい、唇にチュッとキスをする。

 ほらね、今は少しも震えないだろう?

 そして――。

「それを言うなら僕も謝らないとね」

「あ、初めてじゃなかったからでしょ、もうー」

 くっくっく。
 そんなのはどうでもいいんだよ。

「妊娠しろ、って念を送りながらヤリまくったから」

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