内緒の出産がバレたら、御曹司が溺甘パパになりました
ぶつぶつ言うヒサ君を尻目に、私の頭の中は〝副社長〟の三文字でいっぱいになる。
いたしてしまったのは秘密としても、それだけじゃない。
朝、エントランスホールでいきなり抱きついてしまった!
あのとき、周りを見回しても誰も見ていなかったはず。警備員のおじさんは行っちゃったし、問題ないとは思うけど……。
ああもう、なにからどう考えたらいいのよ、この状況。
誰か教えて!
叫んだところで答えは返ってこない。
店に戻り、ヒサ君はそのまま別の配達に出かけ、私は予約が入っている花束作りを開始する。
考えちゃいけないと思うのに、次々と思い起こされる。
『そういえば千絵は、お花屋さんになりたいって言ってたね』
私だって忘れていたのに、悠は覚えていてくれた。
じんわりと熱くなる心を冷やすよう、ふぅっと息を吐く。
悠……。
「えー。千絵ちゃん。ちょっと短すぎない?」
ハッとして顔を上げると、店長が私の手元を見て、ギョッとしたように目を丸くしていた。
しまった。考え事をしていたせいで、余計に切り過ぎた。
いたしてしまったのは秘密としても、それだけじゃない。
朝、エントランスホールでいきなり抱きついてしまった!
あのとき、周りを見回しても誰も見ていなかったはず。警備員のおじさんは行っちゃったし、問題ないとは思うけど……。
ああもう、なにからどう考えたらいいのよ、この状況。
誰か教えて!
叫んだところで答えは返ってこない。
店に戻り、ヒサ君はそのまま別の配達に出かけ、私は予約が入っている花束作りを開始する。
考えちゃいけないと思うのに、次々と思い起こされる。
『そういえば千絵は、お花屋さんになりたいって言ってたね』
私だって忘れていたのに、悠は覚えていてくれた。
じんわりと熱くなる心を冷やすよう、ふぅっと息を吐く。
悠……。
「えー。千絵ちゃん。ちょっと短すぎない?」
ハッとして顔を上げると、店長が私の手元を見て、ギョッとしたように目を丸くしていた。
しまった。考え事をしていたせいで、余計に切り過ぎた。