本当は怖い日本の昔話
輝一「え〜……。考えたことないなぁ」

沙月「犬と猿は喧嘩しなかったのか気になるけどね。ほら、犬猿の仲って言葉があるし」

私「実は、二つの説があるんだ。まず一つ目は鬼は牛の角と虎の皮を纏っているから、不吉であるとされる鬼門は、干支で言う「丑寅」の方位になる。これより裏鬼門にいるのは桃太郎とされて、そこを時計回りの干支がサル・トリ・イヌだったから」

沙月「なるほど!そうだったんだ!」

輝一「ごめん、全くわからん」

私「詳しく知りたい人やよくわからんって人は、陰陽五行思想って調べてみてね!」

輝一「解説放棄した!」

私「もう一つの説が、間引きされた子どもを表しているというものだよ」

沙月「間引き?」

私「昔、貧しい地域では生まれてきた子どもを育てることはできないから、生まれてすぐに川に流していたんだよ。桃太郎が川から流れてきたのも、川に流された赤子を指しているとも考えられるしね」

輝一「やってること、殺人じゃん!」

私「その当時はそれが当たり前のことだったんだよ。だからサル(去る)、イヌ(居ぬ)、キジ(帰じ)を連れて行くことで、少しでも間引きされた尊い命を成仏させようとしたってお話」
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