太陽のヒカリ(短編)
「洗濯しなくてもよかったのに。」
彼はそう言うと私から受け取ったタオルを鞄にしまった。
『ううん。また会えたらずっと渡そうと思ってたの。』
すごく嬉しい………
私はまた会えたことが嬉しすぎて、でももうすぐ電車が来てしまうことに焦って、
なんとか彼の携帯番号を聞こうと必死な気持ちだった。
「今日は元気そうだね。よかった。」
『うん、ありがとう。』
初めて見られた顔が泣き顔だったもんね。
『あの……さ…』
「ん??」
早くしないと、今日は私が乗る電車が先に来てしまう。
『よかったら…携帯番号教えてもらえないかな?』
ドキドキ……
顔を上げるのが怖くてかなり緊張していた。
「いいよ。」
えっ?
『ほんとに??』
私が顔をあげたと同時に、電車が到着する音が聞こえた。