太陽のヒカリ(短編)
「あ、でも電車…きたよ?」
彼は苦笑いして言う。
『だね…。次のに乗るからいいよ!』
電車なんか次のでいい!
せっかく会えたんだもん。教えてって言えたんだもん。
私が笑うと彼は
「じゃあ、俺も一本遅れて乗るよ。」
と、言った。
ホームのベンチに座り、携帯の番号とアドレスを交換した。
「ヒカリちゃん、と。登録完了!」
笑顔が好き。
次、いつ会える?
彼女とかいるのかな?
何が好きで、どんな性格?
知りたいことや聞きたいことはたくさんあるのに、
私は彼の携帯に登録されたことが嬉しすぎて、笑うことしかできなかった。
『じゃあメールするね。』
そう言って電車に乗り込んだ。
扉の窓から手を振ると
彼も手を振り返してくれた。
太陽くん、と登録された携帯を片手に握りしめた。