太陽のヒカリ(短編)
矢野ヒカリ。
17歳。
高校生になって、
本気の恋なら何度もしてきた。
一目惚れしたサッカー部の先輩。
バイト先の男子校に通うイケメンくん。
ささいなことから仲良くなった隣のクラスの軽音部の男の子。
どれもみんな
付き合うまではいくんだ。
でも上手くいかなかった。
なぜなら、相手にとって、私は遊びだから。
本気の恋をしたことがあっても
本気で愛されたことがなかった。
泣き出しそうになりながら靴を履き替えて外へ出ると、
ポツポツと大きな滴が降ってきた。
『最悪……。今日傘持ってきてないや。』
私は雨の中歩きだした。
そう、私がフラれる日は
決まっていつも雨の日なんだ。