太陽のヒカリ(短編)
私……間違ったんだね。
胸はって、知り合いだって言えばよかった…
何もやましいことはないって、
太陽くんと駅で知り合いましたって。
萌……
ごめん。
こんなこと予想外だったから、
あの急な状況で
初めましてって言ってしまったんだ…。
その理由には
少なくとも私の下心があった。
ごめんね。
諦めるから……
嘘ついたこと、
隠したこと、
許して。
萌の幸せそうな顔を見ると、
言えなかったんだ…。
だって、私
太陽くんが好きだから…。
萌の彼氏だなんて知らなかったから…。
嘘ついて
ごめんね…。
泣きながら薄暗くなった道を歩いていた。
「待って、ヒカリちゃん!!」
その声に振り向くと、
向こうから太陽くんが走ってきた。
近くの電灯の光で
太陽くんの顔がはっきり見えた。