太陽のヒカリ(短編)
私は慌てて涙を拭いた。
『太陽くん……』
太陽くんは必死で私を追いかけて走ってきてくれたのか、息があがっていた。
「なんで……初対面のフリしたの?」
太陽くんの質問は
もっともだと思う。
太陽くんは、私が太陽くんを好きだなんて知らないから、
そりゃあ普通に考えて
なんで?って感じだよね…。
太陽くん、それはね
私が萌の彼氏であるあなたを
好きだからだよ。
私は好きな人が親友の彼氏だと知って、
そうなんだ〜!奇遇だね。実は太陽くんと駅で会ったことあるんだ〜
なんて、平気なフリができなかったからだよ。
「ヒカリちゃん……?」
答えない私を、
太陽くんは覗きこむ。