太陽のヒカリ(短編)
『違うって…?』
太陽くんは悲しそうな表情で、私の手を握った。
「俺が悪いんだ……」
『太陽くんは何も悪くないよ…?』
「悪いよ。だって、俺…ヒカリちゃんのことが好きなのに、萌と付き合ってる。」
………どういうこと?
「俺だって…あの日、初めてヒカリちゃんに会った時からずっと気になってた。」
『……太陽くん…?』
「萌とはバイト先で知り合って、よく話すし、仲の良い友達って感じで…」
太陽くんは静かに話し始めた。
萌のことはすごく良い子だと思ってて、
告白されて付き合い始めた。
「付き合い始めて次の日に、まさかヒカリちゃんと再会できるなんて思わなかったから………」
『……本当なの…?』
「本当だよ…。」
優しい声、優しい瞳、
優しい手…
そんな風に見つめられたら
どんどん好きになってしまうよ…
悲しいね。
両思いなのに、両思いになっちゃいけない…