太陽のヒカリ(短編)
『両思いになれただけで嬉しいよ。ありがとう。萌を幸せにしてあげてよ?』
太陽くんは今にも泣き出しそうな切ない顔をしていた。
「どうしても……ダメ?」
私は頑張って笑って、頷いた。
萌の彼氏じゃなかったら、
付き合ってたよ。
好きな人と両思いになって付き合わない人なんて、普通はいないよ。
でも……ダメだよ。
『あの日…初めて会った日ね、私失恋して泣いてたんだ。』
「え?」
『いつも付き合う人は、私は本気なのに遊びで付き合われちゃって……あの日も、もう恋なんかしたくないって思ってた。』
私は太陽くんの目をしっかり見つめた。
『だけど、太陽くんはちゃんと好きになってくれた。太陽くんみたいに本気で好きになってくれる人もいるんだね。それを知れただけで、私幸せだよ。』
ありがとう。
萌が好きになった人
萌の彼氏。
やっぱり素敵な人だった。
だから萌を大事にしてあげて。