太陽のヒカリ(短編)
罪な秘密
『ありがとう。萌のことよろしくね。』
そう言って、今度こそ太陽くんの手を離そうとした。
「ヒカリ…」
強く抱きしめられた身体は、
太陽くんを諦めようとする気持ちに反対する。
初めて名前を呼び捨てされて緊張している自分がいた。
「ごめん…ヒカリちゃんが言ってることはよくわかる。でも…好きなんだ。」
『太陽くん……ダメだよ。』
「ヒカリちゃんがずっと失恋で傷ついてきたなら尚更、俺はヒカリちゃんを幸せにしたいよ。」
『太陽くん……』
「もっとヒカリちゃんのことが知りたい。もっと、そばにいたいんだ。」
『でも……』
私が言葉を発する前に、
私の唇は太陽くんの唇によって塞がれた。
優しく、強く…
太陽くんは何度も
私の唇を包んだ。