太陽のヒカリ(短編)
『……んっ…』
こんなにも愛のあるキスは初めてだった。
でもこんなにも切なく、悲しくて、罪悪感のあるキスは初めてだった。
萌……………
ごめんね。
太陽くんは悪い人じゃないよ。
優しい人なんだ。
ただ優しすぎるから、
こんなことになってしまった。
私が悪いんだよ……
唇が離れると太陽くんは
いつもの笑顔とは全く違う、
真剣な眼差しで私を見た。
キスなんかしたら…
ダメだよ……
『ダメじゃん…。こんなことしたら私、もっと太陽くんを好きになっちゃうよ。』
「ごめん……。でも、もっと好きになってほしい。ヒカリ………」
また呼び捨て。
ダメだよ、決心が弱くなるよ。
『太陽くん………萌のことは傷つけたくないの。』
「ヒカリちゃんが頼むなら萌のこと傷つけない。約束するよ。だけど、ヒカリちゃんのそばにいたい。」
私は親友の彼氏と
秘密で付き合うことになってしまった。