太陽のヒカリ(短編)
「これ、使いなよ。」
そう言って青いタオルを差し出してくれた。
私よりはるかに背の高い彼は、駅からすぐ近くの有名進学校の制服を着ていた。
茶色く短い髪に
真っ黒で綺麗な瞳。
美しいその顔立ちに
私は唖然とするしかなかった。
『ありがとう。』
タオルを受け取って、髪を軽く拭いた。
誰?
誰なんだろう、この人。
どうして声をかけてくれたの…?
「声かけちゃ、まずかったかな?」
彼は気まずそうな顔をして聞いた。
私は突然の見知らぬ人からの優しさにビックリしていて、
そんなことないです!って気持ちで首を振った。