君が笑う空の下。
雨上がりの空。
――修学旅行当日。
せっかくの修学旅行なのに朝から天候不良の雨だった。
京都のお寺やお土産巡りも、気分が上がりきらない。移動のバスも遅れてなかなか来ないし、傘も凄く邪魔で、やっとの思いで旅館についた。
部屋は畳の大部屋で、クラスの女子で一部屋。
ある程度は覚悟してきたけど、もちろん恒例の恋話がはじまった。
「沙奈、どっちから告ったの?」
最初に注目をされるのは、クラスで唯一付き合っている男の子がいる沙奈ちゃんだ。
輪の真ん中にされてクラスの女の子達に質問攻めをされはじめる。
「や、その……」
沙奈ちゃんも真っ赤になって返事をしぶってるけど、集団になった女子達の攻撃には勝てないと思う。