君が笑う空の下。
雨上がりの空。



――修学旅行当日。


せっかくの修学旅行なのに朝から天候不良の雨だった。


京都のお寺やお土産巡りも、気分が上がりきらない。移動のバスも遅れてなかなか来ないし、傘も凄く邪魔で、やっとの思いで旅館についた。



部屋は畳の大部屋で、クラスの女子で一部屋。

ある程度は覚悟してきたけど、もちろん恒例の恋話がはじまった。



「沙奈、どっちから告ったの?」


最初に注目をされるのは、クラスで唯一付き合っている男の子がいる沙奈ちゃんだ。
輪の真ん中にされてクラスの女の子達に質問攻めをされはじめる。



「や、その……」


沙奈ちゃんも真っ赤になって返事をしぶってるけど、集団になった女子達の攻撃には勝てないと思う。


< 16 / 56 >

この作品をシェア

pagetop