君が笑う空の下。


襖を閉めたと同時に


「キャーーー!!」

という女子達の黄色い声が聞こえてきた。


キス……か。そりゃつき合ってれば、するわな。


「ははっ……」

出るのは小さな空笑い。

部屋を出てしまった以上、このまま近くをウロウロするわけにはいかない。

何処かで時間を潰さなければならなくて。
廊下を少し歩いて見つけた、自動販売機の横のベンチに座った。


その場所は窓から外がよく見える場所で。さっきの声はもう無くて、雨の音だけが耳に響いた。



目をつぶると、浮かぶのは彼の事ばかりなのに。



赤い髪の男の子。

笑った顔が今でも心に焼き付いてる。


< 18 / 56 >

この作品をシェア

pagetop