君が笑う空の下。
襖を閉めたと同時に
「キャーーー!!」
という女子達の黄色い声が聞こえてきた。
キス……か。そりゃつき合ってれば、するわな。
「ははっ……」
出るのは小さな空笑い。
部屋を出てしまった以上、このまま近くをウロウロするわけにはいかない。
何処かで時間を潰さなければならなくて。
廊下を少し歩いて見つけた、自動販売機の横のベンチに座った。
その場所は窓から外がよく見える場所で。さっきの声はもう無くて、雨の音だけが耳に響いた。
目をつぶると、浮かぶのは彼の事ばかりなのに。
赤い髪の男の子。
笑った顔が今でも心に焼き付いてる。